社会福祉法人の児童福祉事業の収入会計処理

施設の概要

1.助産施設

 保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けることができない妊産婦を入所させて、助産を受けさせることを目的とする施設をいいます。

2.乳児院

 乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、幼児を含みます)を入院させて、これを養育し、あわせて退院した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設をいいます。

3.母子生活支援施設

 配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の看護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設をいいます。

4.児童養護施設

 保護者のない児童(安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、乳児を含みます)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設をいいます。

5.児童心理治療施設

 家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により社会生活への適応が困難となった児童を、短期間、入所させ、又は保護者の下から通わせて、社会生活に適応するために必要な心理に関する治療及び生活指導を主として行い、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設をいいます。

6.児童自立支援施設

 不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、又は保護者の下から通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設をいいます。

7.児童厚生施設

 児童遊園、児童館等児童に健全な遊びを与えて、その健康を維持し、又は情操をゆたかにすることを目的とする施設をいいます。

8.児童家庭支援センター

 地域の児童の福祉に関する各般の問題につき、児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応じ、必要な助言を行うとともに、市町村の求めに応じ、技術的助言その他必要な援助を行うほか、児童又はその保護者の指導を行い、あわせて児童相談所、児童福祉施設等との連絡調整その他厚生労働省令の定める援助を総合的に行うことを目的とする施設をいいます。

9.放課後児童健全育成事業

 小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、政令で定める基準に従い、授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業をいいます。

10.子育て短期支援事業

 保護者の疾病その他の理由により家庭において養育を受けることが一時的に困難となった児童について、厚生労働省令で定めるところにより、児童養護施設その他の厚生労働省令で定める施設に入所させ、その者につき必要な保護を行う事業をいいます。

使用する勘定科目

 児童福祉法における上記の施設に係る収入は、内容毎に以下のそれぞれの科目にて処理します。

仕訳の例示

 例1)市役所から措置費収入として、人件費500万円、事業費300万円、管理費200万円、合計1,000万円を受け取った。

現金預金 10,000,000 / 事務費収益 7,000,000
              事業費収益 3,000,000

支払資金 10,000,000 / 事務費収入 7,000,000
              事業費収入 3,000,000

 例2)民間施設運営補助金として100万円が市役所から入金された。

現金預金 1,000,000 / 補助金事業収益(公費) 1,000,000

支払資金 1,000,000 / 補助金事業収入(公費) 1,000,000

 例3)子育て短期支援事業の委託料として30万円が市役所から入金された。

現金預金 300,000 / 受託事業収益(公費) 300,000

支払資金 300,000 / 受託事業収入(公費) 300,000

 例4)児童館の指定管理料として200万円を市役所に請求した。

事業未収金 2,000,000 / 受託事業収益(公費) 2,000,000

支払資金  2,000,000 / 受託事業収入(公費) 2,000,000

 例5)子育て短期支援事業の利用料として3万円、放課後児童健全育成事業の利用料として7万円、合計10万円を保護者から受け取った。

現金預金 100,000 / 受託事業収益(一般) 100,000

支払資金 100,000 / 受託事業収入(一般) 100,000