社会福祉法人の拠点区分~その2~

施設と一体的に行われる社会福祉事業の範囲

 拠点区分は法令上の事業種別、事業内容及び実施する事業の会計管理の実態を勘案して設定しますが、所在地が点在していても、共通経費等を一体的に管理している等、一体的な運営管理がなされていると判断できる場合等には、同一拠点区分とすることができます。例えば、道路を挟んで別の建物で運営している施設・事業所であっても、取扱い及び法令上の事業種別が同一で、予算及び組織管理上、一体的に運営されているのであれば、同一の拠点区分に含めることができます。

社会福祉事業と一体的に行われる公益事業について

 社会福祉事業の他に公益事業若しくは収益事業を実施している場合、これらは別の拠点区分とします。なお、社会福祉事業と一体的に実施されている公益事業は、その社会福祉事業の拠点区分に含めて同一の拠点区分とすることができます。この場合、社会福祉事業と同一の拠点とした公益事業は、拠点区分の下位区分であるサービス区分を設定してその収支の実態がわかるようにします。但し、一体的に実施されている事業で、公益事業が主たる事業である場合は、それぞれ社会福祉事業の拠点と公益事業の拠点として別拠点に区分することが原則です。 社会福祉事業が従たる事業である場合にも、社会福祉事業の拠点は社会福祉事業の区分となり、 公益事業や収益事業の区分となることはありません。
 なお、公益事業の拠点が収益事業の区分となることはありません。また、収益事業の拠点が社会福祉事業、公益事業と同一拠点区分となることはなく、収益事業の区分となります。

具体的な事例

地域包括支援センターの取扱い

 地域包括支援センターは社会福祉事業には該当しませんが、介護保険法に基づく事業として、公益事業の拠点区分として会計処理を行います。なお、主たる社会福祉事業と一体的に行われる場合は、社会福祉事業の区分に含めて処理することができますが、所轄庁又は委託市町村から、社会福祉事業と区分するよう指導された場合は、公益事業の拠点区分とします。

障害者就業・生活支援センターの取扱い

 障害者就業・生活支援センターにおいて行われる生活支援等事業は、第二種社会福祉事業に該当します。一方同センターにおいて行われる雇用安定等事業は、労働局から委託を受けて行う公益事業に該当しますが、その予算積算、事業報告等について、極めて厳格な区分経理を要求されることから、雇用安定等事業については、公益事業の拠点区分とする必要があるものと考えられます。

指定管理者としての施設管理の取扱い

 社会福祉施設の経営の委託や社会福祉事業である事業の事業所・事務所の経営の委託又はその指定管理者となった場合には、当該施設の経営や当該事業は、公益事業ではなく、社会福祉事業となります。当該施設や事業所・事務所が社会福祉施設や社会福祉事業ではなく、公益事業の場合は、公益事業区分の拠点区分とされます。なお、事業所・事務所が法人の経営する主たる施設又は事業所・事務所と一体的に行われる場合は、当該主たる施設等と同一の拠点区分に含めて処理することができますが、所轄庁又は委託市町村から指導された場合は、主たる施設等とは別の拠点区分とします。