医療費控除Q&A~入院に係る費用~
差額ベッド代や食事代、身の回り品は医療費控除の対象となるか?
Q 骨折に係る手術のため入院した際に次に掲げる費用の支払いを行いました。このうち、医療費控除の対象となるものはどれですか。
- 手術費用
- 手術前後の診察費用
- 相部屋から個室への差額ベッド料金
- 入院中に係る食事代
- 付き添いに従事した親族の食事代
- 寝具や洗面具などの身の回り品の購入費用
- 病院が用意したシーツやまくらカバー等のクリーニング代
- 病院に支払うテレビや冷蔵庫の費用
- 医師、看護師への謝礼金
- 防ダニ布団の購入費用
A 上記のうち医療費控除の対象となるものは1,2,7で、医療費控除の対象とならないものは5,8,9,10となります。また、支払う理由等によって医療費控除の対象となるものが3,4,6になります。
対象となるもの
- 手術費用
手術費用は骨折を治すための治療の対価であり、対象となります。 - 手術前後の診察費用
診察費用については診療の対価となり、対象となります。 - 病院が用意したシーツやまくらカバー等のクリーニング代
病院が用意したものであれば、入院費用の一部として診療又は治療を受けるために通常必要なものとされ、対象となります。
なお、患者自身がクリーニング業者に依頼して支払う費用は治療等とは関係がないため、対象外となります。
医療費控除の計算方法など詳細についてはこちらをご覧ください。
対象とならないもの
- 付き添いに従事した親族の食事代
付き添いの方の食事代については、診療又は治療の対価ではなく、また、手術する本人の治療等に必ずしも必要な費用ではありませんので、対象外となります。入院患者の世話を身内の親族が行うのは当然のことであり、税法ではこの費用は何ら考慮されません。 - 病院に支払うテレビや冷蔵庫の費用
テレビは娯楽になりますし、冷蔵庫の賃借は親族や知り合いの差入等による私的なものの使用になりますので、治療等のために通常必要と認められず、対象外となります。可能性としては低いですが、これらの費用が医師等の治療等に必要と認められれば対象となることもあります。 - 医師、看護師への謝礼金
診療又は治療の対価は既に手術費用や診察費用として支払っていますので、謝礼金は治療等の対価とはならず、対象外となります。 - 防ダニ布団の購入費用
骨折の手術の為に防ダニ布団が必要であるとは考えられないため、対象外となります。
理由によっては対象となるもの
- 相部屋から個室への差額ベッド料金
入院中の部屋代については、治療等の直接必要な費用として対象となります。この際の個室に移ることによる差額ベッド代(個室代)については、医師等の指示によるものか、単なる患者の希望によるものかによって異なります。医師等の指示による場合は、治療等に直接及び通常必要なものと認められ、対象となります。しかし、患者の希望による場合には、治療等に直接または通常必要なものとはなりませんので、対象外となります。 - 入院中に係る食事代
食事代が病院に対して支払うものであれば、治療等を受けるために直接及び通常必要なものとなり、対象となります。但し、病室に出前をとったり、近場での外食などの食事代は治療とは何ら関係ありませんので、対象外となります。 - 寝具や洗面具などの身の回り品の購入費用
身の回り品は入院のために必要なものではありますが、これらが医師等の治療等を受けるために通常必要と認められ、かつ、治療等を受けるために直接必要なものに該当しなければ対象とはなりません。病院の入院案内に身の回り品が記載されており、病院にて購入したものは、治療等を受けるために直接必要なものと考え、対象とすることができます。