医療費控除Q&A~健康診断と予防接種~

健康診断・人間ドック費用について

Q 病院にて健康診断を受けましたが、異常は発見されませんでした。この費用は医療費控除の対象となりますか。

A 医療費控除の対象とはなりません。診療や疾病の治療とは認められないためです。

Q 健康診断の結果、医師に人間ドックを勧められ受診したところ、疾病が発見されました。その後治療を行いましたが、医療費控除の対象となるものはどれですか。

A 健康診断、人間ドック費用、治療費の費用全てが医療費控除の対象となります。健康診断や人間ドック費用自体は疾病の治療を伴うものではありませんので、原則として、医療費控除の対象とはなりません。しかし、健康診断等の結果、重大な疾病が発見され、かつ、その健康診断に引き続きその疾病の治療を行った場合は、その健康診断は治療に先立って行われる診察と同様に考えられ、その健康診断費用は医療費控除の対象となります。

インフルエンザの予防接種について

Q 私は毎年、近くの診療所にてインフルエンザの予防接種を受けています。この費用は医療費控除の対象となりますか。

A 医療費控除の対象とはなりません。インフルエンザに限らず予防接種費用は、原則として対象外です。予防接種を受ける段階ではインフルエンザ等のウイルスに感染したわけではありませんので、単なる予防費用であり診療又は治療のいずれにも該当しません。仮にその後インフルエンザにかかった場合ですが、治療費は医療費控除の対象となりますが、先に受けた予防接種費用は対象とはなりません。

B型肺炎ワクチンの予防接種について

Q 夫がB型肺炎と診断されました。医師の指示により、感染を予防するためのB型肺炎ワクチンの予防接種を受けました。この費用は医療費控除の対象となりますか。

A 医療費控除の対象となります。予防接種は診療又は治療に該当しないため医療費控除の対象とはなりません。しかし、B型肺炎の感染経路の主なものは血液による感染、性的感触による感染及び母子感染であり、介護を行う家族は感染する危険性が非常に高いため、家族のワクチンの予防接種は、B型肺炎の患者の治療の一環として必要不可欠となります。このため、B型肺炎の患者の介護を行う家族のワクチンの予防接種費用は医療費控除の対象となります。注意点としては、患者と同居する親族に限られます。また、医療費控除を受けるためには、医療費の明細書を確定申告書に添付し、B型肺炎にかかっており医師による継続的治療を要する旨の記載のある医師の診断書を確定申告書に添付又は提示するか、提出を省略し5年間の保存が必要となります。