経過勘定の会計処理と重要性の原則について
未収収益
一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、すでに提供した役務に対して未だその対価の支払いを受けていないものをいいます。債券利息の経過利息分などを計上します。
例)10月に購入した満期保有目的の債券の利払日は9月末で、年利の金額は120,000円である。3月の決算時において、既経過分を計上した。
120,000円×6月÷12月=60,000円
未収収益 60,000 / 受取利息配当金収益 60,000
支払資金 60,000 / 受取利息配当金収入 60,000
前払費用
一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、未だ提供されていない役務に対し支払われた対価をいいます。 保険料、賃借料、借入金利息の前払額などを計上します。 なお、貸借対照表日の翌日から起算して1年を超えて費用化される未経過分の金額は「長期前払費用」として処理します。
例1)4月に、5年分の建物の火災保険料1,000,000円を一括して支払った。
保険料 200,000 / 現金預金 1,000,000
前払費用 200,000
長期前払費用 600,000
保険料支出 200,000 / 支払資金 800,000
長期前払費用支出 600,000
例2)翌年以降の決算
保険料 200,000 / 前払費用 200,000
前払費用 200,000 / 長期前払費用 200,000
保険料支出 200,000 / 支払資金 200,000
支払資金 200,000 / 長期前払費用収入 200,000
未払費用
賃金、支払利息、賃借料など時の経過に依存する継続的な役務給付取引において既に役務の提供は受けたが、会計期末までに法的にその対価の支払債務が確定していない分の金額をいいます。
例)3月分の職員給料2,000,000円は翌月の4月25に支払うが、決算において未払い分を計上した。
職員給料 2,000,000 / 未払費用 2,000,000
職員給料支出 2,000,000 / 支払資金 2,000,000
前受収益
受取利息、賃借料など時の経過に依存する継続的な役務提供取引に対する前受け分のうち未経過の金額をいいます。
例)3月に駐車場貸付けに係る賃借料60,000円を受け取ったが、うち半額は4月分の代金であった。
現金預金 60,000 / 賃借料収益 30,000
前受収益 30,000
支払資金 30,000 / 賃借料収入 30,000
重要性の原則の適用について
保険料、賃借料、受取利息配当金、借入金利息、法人税等にかかる前払費用、未払費用、未収収益、前受収益のうち重要性の乏しいものや、毎会計年度経常的に発生し、その発生額が少額のものについては、計上しないことができます。