社会福祉法人の有料老人ホーム及びサ高住の収入会計処理

施設の概要

1.有料老人ホーム

 老人を入居させ、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活上必要な便宜であって厚生労働省令で定めるものの供与(他に委託して供与をする場合及び将来において供与をすることを約する場合を含みます)をする事業を行う施設であって、老人福祉施設、認知症対応型老人共同生活援助事業を行う住居その他厚生労働省令で定める施設でないものをいいます。なお、介護付き有料老人ホームと称するには、介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受ける必要があります。

2.サービス付き高齢者向け住宅

 高齢者向けの賃貸住宅又は老人福祉法に規定する有料老人ホームであって居住の用に供する専用部分を有するものに高齢者を入居させ、次に掲げるサービスその他の高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスを提供する事業を行うものをいいます。

  • 状況把握サービス・・・入居者の心身の状況を把握し、その状況に応じた一時的な便宜を供与するサービスをいいます。
  • 生活相談サービス・・・入居者が日常生活を支障なく営むことができるようにするために入居者からの相談に応じ必要な助言を行うサービスをいいます。

使用する勘定科目

 老人福祉法における有料老人ホーム及び高齢者の居住の安定確保に関する法律におけるサービス付き高齢者向け住宅に係る収入は、内容毎に以下のそれぞれの科目にて処理します。

仕訳の例示

 例1)家賃の一括徴収分として入居金1200万円、サービス一時金の一括徴収分として360万円を入居者から受け取った。

現金預金 12,000,000 / 長期預り金 12,000,000
現金預金  3,600,000 / 長期預り金  3,600,000

支払資金 12,000,000 / 管理費収入    12,000,000
支払資金  3,600,000 / その他の利用料収入 3,600,000

 例2)入居金及びサービス一時金の一括徴収分のうち当期に属す金額としてそれぞれ、60万円と18万円の償却を行った。

長期預り金 600,000 / 管理費収益     600,000
長期預り金 180,000 / その他の利用料収益 180,000

資金収支仕訳なし

 例3)退去した入居者に係る入居金の未償却額として400万円、サービス提供対価の前払分の未償却額として120万円を返還した。

長期預り金 4,000,000 / 現金預金 4,000,000
長期預り金 1,200,000 / 現金預金 1,200,000

管理費返還支出     4,000,000 / 支払資金 4,000,000
その他の利用料返還支出 1,200,000 / 支払資金 1,200,000

 例4)利用者負担として、入居金を受け取っていない入居者の当月の家賃10万円、サービス提供対価の月額徴収額15万円及び居室の光熱水費として5万円、合計30万円を入居者から受け取った。

現金預金 100,000 / 管理費収益     100,000
現金預金 200,000 / その他の利用料収益 200,000

支払資金 100,000 / 管理費収入     100,000
支払資金 200,000 / その他の利用料収入 200,000

 例5)安否確認及び緊急時対応事業の委託料として15万円を市役所に請求した。

事業未収金 150,000 / その他の事業収益 150,000

支払資金  150,000 / その他の事業収入 150,000