計算書類等の保存期間と閲覧

計算書類等の作成と保存

 社会福祉法人は、毎会計年度終了後3月以内に、各会計年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(以下、「計算書類等」という。)を作成しなければなりません。社会福祉法人における会計年度は、4月1日から翌年の3月31日と社会福祉法にて定められています。作成した計算書類等は、監事監査を受けた後に、理事会の承認を受けなければなりません。また、理事はその承認した計算書類等を評議員会に提出及び内容の報告を行い、評議員会の承認を受けなければなりません。理事会と評議員会の開催に当たっては2週間以上の間隔を設けなくてはなりませんので、現実的な計算書類等の作成は5月中には完了していることが望ましいです。
  計算書類は作成したときから10年間、当該計算書類及び附属明細書を保存しなければなりません。 なお、計算書類等は電磁的記録をもって作成することができます。

計算書類等の備置き及び閲覧等

 社会福祉法人は、計算書類等を、定時評議員会の日の2週間前の日から5年間、その主たる事務所に備え置かなければなりません。また、従たる事務所を有している場合には、計算書類等の写しを、定時評議員会の日の2週間前の日から3年間、その従たる事務所に備え置かなければなりません。但し、計算書類等を電磁的記録をもって作成し、(1)③及び④並びに(2)②に掲げる請求に応じる措置をとっているときは、従たる事務所における備置きは要しません。

(1)評議員及び債権者

 社会福祉法人の業務時間内は、いつでも次に掲げる請求をすることができます。但し、債権者が②又は④に掲げる請求をする場合は、当該社会福祉法人が定めた費用を支払わなければなりません。

① 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求
② ①の書面の謄本又は抄本の交付の請求
③ 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を紙面又は映像面で表示する方法により表示したものの閲覧の請求
④ ③の電磁的記録により記録された事項を電磁的方法であって社会福祉法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(2)一般国民(評議員及び債権者を除く。)

 社会福祉法人の業務時間内は、いつでも次に掲げる請求をすることができます。また、社会福祉法人は正当な理由がないのに、この請求を拒んではいけません。

① 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求
② 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を紙面又は映像面で表示する方法により表示したものの閲覧の請求

財産目録等の作成、備置き及び閲覧等

 社会福祉法人は、毎会計年度終了後3月以内に、次に掲げる書類(以下、「財産目録等」という。)を作成し、当該書類の写しを主たる事務所に5年間に備え置かなければなりません。従たる事務所を有している場合には、当該書類の写しを従たる事務所に3年間備え置かなければなりません。また、財産目録等を電磁的記録をもって作成することができます。財産目録等を電磁的記録をもって作成し、下記②に掲げる請求に応じる措置をとっているときは、従たる事務所における備置きは要しません。

  • 財産目録
  • 役員等名簿(理事、監事及び評議員の氏名及び住所を記載した名簿)
  • 報酬等の支給の基準を記載した書類
  • 事業の概要その他の厚生労働省令で定める事項を記載した書類

 一般国民は、社会福祉法人の業務時間内は、いつでも財産目録等について、次に掲げる請求をすることができます。また、社会福祉法人は正当な理由がないのに、この請求を拒んではいけません。なお、社会福法人の評議員以外の者からその請求があった場合には、 役員等名簿について個人の住所に係る記載等の部分を除外して閲覧させることができます。

① 財産目録等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求
② 財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を紙面又は映像面で表示する方法により表示したものの閲覧の請求