社会福祉法人の計算書類の体系

 社会福祉法人会計基準の計算書類は、資金収支計算書及び事業活動計算書並びに貸借対照表から構成されています。

1.資金収支計算書

 1会計年度におけるすべての支払資金の増加及び減少を表示し、収入と支出の内容を明らかにする計算書です。法人全体を表す法人単位資金収支計算書、社会福祉事業、公益事業、収益事業の3つの事業区分の内訳を表す資金収支内訳表、各事業区分内の拠点区分の内訳を表す事業区分資金収支内訳表、1つの拠点区分を表す拠点区分資金収支計算書の4種類からなります。法人単位及び拠点区分資金収支計算書は、予算(補正後)と決算の対比ができる書類となっています。

2.事業活動計算書

 1会計年度における純資産のすべての増減内容を明瞭に表示し、事業活動の成果を明らかにする計算書です。資金収支計算書と同様に、法人単位事業活動計算書、事業活動内訳表、事業区分事業活動内訳表、拠点区分事業活動計算書の4種類になっています。法人単位及び拠点区分事業活動計算書は、当年度決算と前年度決算の増減比較ができる様式となっています。

3.貸借対照表

 会計年度末現在のすべての資産、負債及び純資産の状態を明瞭に表示し、財政状態を明らかにする書類です。資金収支計算書と同様に、法人単位貸借対照表、貸借対照表内訳表、事業区分貸借対照表内訳表、拠点区分貸借対照表の4種類になっています。法人単位及び拠点区分貸借対照表は、当年度末と前年度末の増減比較ができる様式となっています。

4.内部取引消去について

 社会福祉法人においては法人内部で取引をすること多いにあります。例えば農産物の栽培や販売をする拠点とその農産物を仕入れて社会福祉施設で給食として消費される拠点がある場合などです。この場合、各拠点の拠点区分計算書や拠点区分事業活動計算書で農産物の売上と仕入が計上されます。しかし、事業区分資金収支内訳表と事業区分事業活動内訳表上は同じ事業区分内の取引として相殺消去します。上記1から3の計算書のうち内訳を表す○○内訳表や事業区分○○内訳表においては、一定のルールに従って法人内部の取引が相殺消去されることとなります。