金銭債権の会計処理~その2~

前払金

 物品等の購入代金及び役務提供の対価の一部又は全部の前払額をいいます。自動車等の固定資産を購入する際の内金などを計上します。但し、建物等の施設整備に関して支払う工事の前渡金については、「建設仮勘定」に計上します。

例)車両3,000,000円の購入に際して、内金として500,000円を支払った。

車両運搬具     500,000 / 現金預金 500,000
車両運搬具取得支出 500,000 / 支払資金 500,000

貸付金

 生活困窮者に対して無利子又は低利で資金を融通する事業、法人が職員の質の向上や福利厚生の一環として行う奨学金貸付等をいいます。なお、貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に入金の期限が到来するものを「短期貸付金」、1年を超えて到来するものを「長期貸付金」といいます。但し、営利法人等への法人外の事業への貸付けになるようなものは認められません。

例1)職員の奨学金として1,000,000円を返済期限10年で貸付を行った。

長期貸付金   1,000,000 / 現金預金 1,000,000
長期貸付金支出 1,000,000 / 支払資金 1,000,000

例2)職員の奨学金の返済期限が迫り、元金を利息10,000円とともに受け取った。

現金預金 1,010,000 / 長期貸付金     1,000,000
             受取利息配当金収益   10,000
支払資金 1,010,000 / 長期貸付金回収収入 1,000,000
             受取利息配当金収入   10,000

仮払金

 処理すべき科目又は金額が確定しない場合の支出額を一時的に処理する科目をいいます。職員が研修会に出席するための旅費の概算払いの金額等を計上します。科目の性質上原則として、決算ではこの科目に計上されたものは本来の科目に振り替えられ、残高はなくなります。

例1)職員が研修会に出席するので、旅費50,000円を概算払いした。

仮払金 50,000 / 現金預金 50,000

例2)職員が研修会から帰り、電車賃30,000円、研修会費5,000円の領収書とともに清算した。

研修研究費   35,000 / 仮払金  50,000
現金預金    15,000
研修研究費支出 35,000 / 支払資金 35,000

差入保証金

 賃貸用不動産に入居する際に賃貸人に差し入れる保証金をいいます。敷金などのように返還される金額を計上しますが、礼金、更新料など返還されないものは「土地・建物賃借料」に計上します。

例)職員用の借上げ社宅の賃貸借契約を締結し、返還ありの保証金300,000円、礼金100,000円と家賃100,000円を貸主に振り込んだ。

差入保証金      300,000 / 現金預金 500,000
土地・建物賃借料   200,000
差入保証金支出    300,000 / 支払資金 500,000
土地・建物賃借料支出 200,000

金銭債権の決算時の評価額

 会計年度末における金銭債権は取得価額をもって、貸借対照表価額とします。なお、徴収不能(貸し倒れ)のおそれがあるときは、取得価額から徴収不能引当金を控除した額を貸借対照表価額とします。